芸術とワイン その2
June 22nd, 2010

アッカディーア訪問記続きです。

試飲の後は奥様のマリアさんのおもてなしランチ。サラミとチーズに始まり、ペンネ、ターキーとサラダ、モモの赤ワインコンポート、ケーキと、昼からしっかりフルコース。

その全てが美味しい! なにもかもが潤いに満ちた味なのです。マリアさんが言っていました。「私たちは愛情を込めて全ての作物を作っています。だから美味しいんです」
当たり前の事のようで、難しい…ティプシーズやコトトワの皆は大丈夫かな。ちゃんと愛情込めて、料理を作り、サービスしているかな。

芸術とワイン その1
June 22nd, 2010
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Σが最初にアッカディーアのワインに出会ったのは、昨年秋の試飲会。なんの前知識なく臨んだ100のワインを順番にチェックしていく途中、「おやっ?」というワインにいくつか引っ掛かります。そんなワインは後でもう一度試飲し、価格と味わいのバランスを見てリストインさせるかどうかを決めます。

アッカディーアのコンショがその一つでした。
「やだ、何これ美味しい。しかも、安いじゃない」

その時は、まさか八ヶ月後に蔵元を訪問できるとは思ってもいませんでした…これも何かのお導き?

さて、前置きが長くなっちゃいましたが、そんなアッカディーア。ただもんじゃあ、ありませんでした。

ワイナリーがあるのは彼の農園の一部。養鶏もやり、オリーブオイルも作って、自然と共に、明るく元気な奥さまのマリアさんと暮らしています。

出迎えてくれたアンジェロさんからは、オーラがメラメラと出ていました。
達観してるというか、人生を満喫して生きてるというか。
見た瞬間、ちょっと泣きそうになっちゃいました。
アンジェロさんは現役の芸術家。ワイナリーの建物の中には、いたるところに、彼や彼の友人の作品がセンス良く飾られています。
今日は低気圧の影響で、外は季節外れの大雨、しかも気温が低く、寒いので、畑には行けませんでしたが、よく清掃された小さなワイナリーを見学。ワインタンクや熟成樽の横にも芸術作品が飾られて、今まで行ったどのワイナリーとも異なる独特の雰囲気。

「畑の味、土地の味、年の味をそのままワインにする事に心血を注いでいます」…本物を造る人は全く同じような事を口を揃えて言いますね。

彼のワインは白のベルディキオが中心です。コンソノ、コンショ、カントーリ、全て畑違いのベルディキオ100%の白ワイン。同じ敷地内で違いがあるのかと思いますよね?
…これが、あるんです。

コンソノはカジュアルな果実の楽しさ、コンショはミネラルと果実の融合、カントーリは圧倒的な果実の華やかさ。と、ここまでは普通の試飲でした。アッカディーアがすごいのは、これらのワインのビンテージものが飲める事。 いわゆる瓶熟ものです。「本当は白ワインでも、数年は瓶熟してから市場に出したいけど、生産量も少ない上に市場の要求でうらざるをえないんだ」なるほど、なるほど。 その味は…びっくりするほど、複雑味がでて、違うワインのようです。ベルディキオって、熟成させるとこんな事になっちゃうの?
…続きは、また。