ホスピタリティの蔵元“アッカディーア”を上機嫌で
旅だった一行は、約4時間かけてトスカーナのキャンティへ。
4時間は長いけど、なるべく寝ないようにします。
だって、景色が抜群にきれい。
ちょっと小高い丘には必ず城壁や、城があります。
エトルリア人が建てたといわれているこの城郡。
案内人Takeさん曰く、「平地になんて恐ろしくて町は作れなかった」
らしい。攻め込まれる、攻め込む、の繰り返しだったのでしょうね。
ヒマワリが絨毯の咲き、マルチェロマストロヤンニの「ひまわり」
を否応なしに思い出します。
あ~切ない映画だったな。
中田が最初にわたったことで有名なペルージャを通り
景色が変わり始めます。マルケよりも田園風景の牧歌的な感じに。
トスカーナも間違いなく、美しいところ。
もうカステッリーナも3度目。
曲がる道さえ覚えています。
昨年も行った、あのアグリツリズモのレストランで
夜10時からの夕食。
あのシェフの料理が食べられる!とテンションがあがります。
ファビオさんと感動の再会。
厚い胸に顔をうずめて、目でうなずきあいます。
昨年は日本にも来て、わざわざTipsy’sにまで来てくれたんです。
大きなテーブルに15名席について食事です。
「今年はシェフがいないから、妻がつくります」とファビオさん。
あれ?お休みかな。彼の料理はとてもいいのでやや残念。
でも、
奥さまのお料理もとても美味しく、量がおおくてうれしい悲鳴です。
後で聞いたのですが、シェフはカステッリーナを辞めて
トスカーナの市外のレストランへ移ったそうです。
いつも、ファビオさんを補佐して、私たちをケアしてくれる
イヴァンさんがサービスしてくれます。
彼は、畑をやり、ウェブなどの広報をやり、夜はレストランで
サービスも。まさにカステッリーナのスタッフの要です。
昨年結婚し、男の子ができたそうです。
息子さんのフランチェスカが出てきました。
うううっっっ可愛い!日本でデビューしたら、たちまち人気に
なるに違いないと黒い発想をするΣ。
しかも、愛想がよく、にこにこと笑顔を絶やしません。
これはまさに「人たらし」。
みんな完全にやられています。
彼も料理を運んでくれます。
美味しい料理とワインに、疲れも重なりほろ酔い気分のΣ。
そんなときにぼんやり考えたのは
1年はいろいろと人や環境を変えるのだなということです。
こんな平和な、何も変化が起きようがない場所でも
シェフが辞め、奥さまが料理を作り
フランチェスカが成長して、皆と食事したり、サービスまでも。
イヴァンは結婚して、子供ができ、家と小さな畑を買ったそうです。
そして、将来は小さくてもいいから自分のワイナリーで
ワインづくりをしたいと話してくれました。
ファビオさんも大変だなと思ったけど
彼は「全て受け入れる」。と。
これこそ、彼のワイン造りなのかも。
葡萄の様子を見て、葡萄がいう言葉を聞いて、
マニュアルに沿うことなく、柔軟にワインを造る。
全て受け入れる…
はあ、Σの修行はまだまだ始まったばかりです。