イタリアで想ったこと
July 2nd, 2010

今年も怒涛のワイナリーツアーを終えて小石川に戻ってきました。
どんなにイタリアが素晴らしいところでも、私の居場所はここなんだな。

今回でいったい何度目なのかな。
2003年から欠かさず行っているので8回目か…。
そうか…もう8回。
行かせてもらえる全ての環境に感謝。ありがとう!

畑や蔵を見て、ワイン造りをしている人々と会い、
自分について深く考えることができるのが
この旅の素晴らしいところ、贅沢なところです。

ぶどうをどうやって破砕して、発酵は何度で、何日で
樽熟はフレンチオークで…などなど
最初はそんなテクニック的なことと、神秘的なビオディナミ農法の
やり方についてばかり興味がありました。
でも、今はあまりそんなことは…。
だって、テクニカルなことはデータを見ればいいし、
ビオ農法は結果であって、原因ではないから。

それよりも、ワインを通してTipsy’sのお客様に
何を伝えるべきなのか。
美味しいワインという大前提にプラスアルファ何かを
感じてもらいたいな。

帰国後2日で報告書を書き、
スタッフに配る資料も造り上げ、ミーティングを開きました。
異例の速さ!
きっと∑のなかに、つきあげてくるものがあったのだろうと思います。
まずは、スタッフに伝え、
それをお客様にお伝えします。

これからTipsy’sでイタリアワイン飲むときは
気をつけてくださいね。
目の色変えて、説明がはじまると思います。

グラッチェ・ミーレ!!

大団円はやっぱりこの人
June 29th, 2010

BMO山田さんと

BMO山田さんと

[caption id="attachment_1521" align="alignleft" width="300" caption="エネルギーいただきました。"]エネルギーいただきました。[/caption]さてさて、お待ちかねのチェレータでの夕食。
ここの料理最高なんです。

出てくるものすべてがナチュラルで、味が濃い。
噛めば噛むほど味わい深い。
そして飲み込もうとすると口の中で溶ける…。

8時を回ったところで、大御所ダニエーレさん登場です。
この人が現れたら、今までワイワイやっていた皆さんが一斉に静まり
シーンとした状態に。
ダニエーレさんのオーラに皆さん圧倒されてしまっているみたい。
そりや、そうですよね。
なんてたってこの外見。この体格。
でも、中身はとっても優しいおじさんです。

∑を見て「覚えているぞ!」と言ってくれました。

食事が進み、ワインが程良く入ってくると
話はダニエーレさんの信念に。

「エネルギーについて、もっともっと考えるときが来ている」

「自然のエネルギーは莫大。それを生かす方法が絶対にあるはずなんだ」

「もっと自分を変えていかなければならないと思う」

そうか…チェレータのワインにみなぎっている躍動感、パワーは
牧場全てのエネルギー、造る人のエネルギー、それを発見し、日本に紹介する
人のエネルギー、それを売る人のエネルギー、すべてが凝縮されているのだな。

エネルギーを吸収できるようなワインにしてあるのだなと感じました。

この度の∑の小さなテーマでもあった「造りての手」画像をとるべく
∑の小さな手のひらと、ダニエーレさんの大きな手のひらを
ぴったりと合わせてみました。

「これはお互いのエネルギーを送り込むツールになるぞ」と
ダニエーレさんがいいました。
…うわっ! この人はなんか…。

真夜中、食事が終了し、宿へ戻ります。
ここもアグリツリズモ設備が充実していてとまれますが、
大人気で部屋の空きがなく、近所のホテルで宿泊です。

最後に
「また、絶対会いたいから必ず来ます!」といったら
頭から抱きしめてくれました。
もう泣きそうです!
まるで親に抱きしめてもらった子供のような気分。
安心で、寛げる、そのままじっとしていたいダニエーレさんの胸でした。

大スクープ
June 29th, 2010

畑ツアーのあと、蔵でヴェルメンティーノ2009とサンジョヴェーゼ2007を試飲。
んがっ、旨い。
ヴェルメンティーノはまさに先ほど畑で感じたハーブや花、蜂蜜のニュアンスが
たっぷりと含まれて、花畑ワインと命名したいほど。

そしてサンジョヴェーゼがこれまた旨い。
樽にいれたばかりとは思えない細かいタンニンが心地よく
チェレータの今までの赤ワインとは全くことなります。
聞けば、2011年リリースの新作らしい。
えーっ!!!!!! これって大スクープですね。
あ~待ち遠しい。

試飲の後はまたまたお買いもの。
チェレータ牧場で作っているサラミやサルシッチャ(ソーセージ)、
チーズ、そして忘れてなならないのがここのグラッパ。
食品は全て7月4日のイタリアワインセミナーにて
お召し上がりいただけます。
(すでに定員に達し、締めきらせていただいております)
セミナー参加に皆様、お楽しみに!

あ~いい香り
June 29th, 2010

後ろに見えるのが畑です。うっそうとしていますね。

後ろに見えるのが畑です。うっそうとしていますね。

カスッテリーナを午後に出発。
2時間の移動で、トスカーナ州のティレニア海沿い、サセッタにある
チェレータ牧場に到着です。
ここのすぐそばにウン万円もするワインで有名なボルゲリがあります。

チェレータのワインはボルゲリの500万倍くらい美味しいです。
というか、食品ワインがチェレータなら、工業ワインがボルゲリですかね。
工業ワインを造っている畑は薬品にまみれ、固く、重病です。
そんな土地のブドウに健全なものができるわけがなく
将来が見えているのが現状と思われます。

レゲエヘアがお似合いの頭首ダニエーレさんの長男マテオさんが
昨年同様に畑を案内してくれました。
チェレータの畑ツアーは他と全く異なります。
それは、ブドウの樹の説明は3分のみ。
後の1時間半は、そのまわりに生えている、ぶどうを取り囲む環境を
形成しているその他の植物についてだからです。

「この花は6月24日に摘んでオイルにつけて、火傷の治療薬にするんだ
薬局でうっているものよりよっぽど効くよ」

「この木は花と身が同時なる不思議な木なんだよ」

「この草がとても丈夫だからブドウの樹をしばりつけるのに使うんだよ」

「この麦は踏みつければ、踏みつけるほど増えるんだ」

などなど、まるで植物園を散歩している気分です。
そして、ハーブももちろん至るところに生えていて
なんだか嗅いだことのある香りだなと考えてみたら
そう、エステなんかいくとたきしめてあるあの香り。
自然のアロマテラピー。

想像のできない美味しさ2009
June 29th, 2010

伝説の動物~白鹿~ダイナビアンコ命名の由来です

伝説の動物~白鹿~ダイナビアンコ命名の由来です

[caption id="attachment_1511" align="alignleft" width="300" caption="気合のアルベレッロの畑"]気合のアルベレッロの畑[/caption]去年はたくさん歩いた(約2時間)カスッテリーナの畑ツアー。
今年はなぜか1時間もかからずに終了。
昨夜までの寒さが嘘のような日差しと旅の疲れで皆さんグロッキー気味。

そこで、畑から少し離れたワイナリーに移動です。
ここも規模は小さめ。
でも、しっかりと清掃されていてワインたちがタンクや樽に
眠っています。
樽に入れたばかりという2009年のワインを試飲させてもらいました。
サンジョベーゼも、メルロも口に入れて絶句です。

通常、樽試飲は難しく、ごつごつしている感じを受けたり
樽からの香りやテクスチャーがはっきりしすぎていて
口の中が、ピリピリするのです。
…ところが、これらのワインはすでに美味しい。
樽から試飲しているとは思えないまろやかさが既に現われています。
「これが熟成されて瓶詰めされた時の美味しさを想像できな」
と造った本人のイヴァンさんが言っていたのが印象的でした。
楽しみですが、もうしばらくは待つしかありません。

さて、蔵を見た後は恒例のお買いものタイム。
日本では入手不可能なヴィンサント(陰干しブドウで造るデザートワイン)や
グラッパを購入。
ファビオさんから、古代小麦のパスタとこだわりのオリーブオイルを
もらいました。
本当はいっぱい買いたいのですが…。今まで買ったワインや
明日以降のことも考えて2本にしました。
これは当然、お店でメニューにのせます。
昨年購入したグラッパは∑の口に一度も入ることなく
お客さまの口に。
美味しいものは皆さん分かっています。ほんと。

カスッテリーナ続き
June 25th, 2010
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キャンティにあるカスッテリーナにはアグリツリズモとしての宿泊施設があって誰でも泊まる事ができます。

ただ今回は、人数が多いので一部の方だけがそこに宿泊し、Σを含めた他の方は更に山の頂上にあるB&Bへ。

夕べのディナーの後、部屋に戻り、シャワーを浴びて、さっさとベッドに潜り込みました…一時間くらいたったあたりで、奮えと共に目が覚めました。寒い!ものすごく寒いのです。なんかかけるものはないか探しましたが、ブランケットも見付からず…まずはさっき身体を拭いた湿ったタオルをかけました。少し寝るとまた寒さで目が覚めます。次は靴下を履いて、パーカーを着ました。それでもダメです。ダブルベッドだったので、ベッドカバーを半分に折ってかけます。ちょっと暖かい…でも眠りにつく寒さではありません。そんな事をしているうちに朝。 あー眠い。

でも、カスッテリーナの畑に行ったら眠気もぶっ飛びました。葡萄が太陽を浴びて元気です。案内してくれたファビオさんの片腕イバンさんは去年よりもパワーアップしています。

得に圧巻はアルベレッロの畑。足を取られそうになるほどの急斜面に株仕立てで、かつ、古代ギリシャの知恵を生かした植樹法。気を感じるとはまさにこの事。

この畑からのワインの味ですか?ふふふ、溶けてます。全てのテクスチャが融合、共存しています。

カスッテリーナの夜
June 23rd, 2010
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アッカディーアの続きを。
雨があがりかけたマルケ州を出発し、アペニン山脈を越えて、中田で名前を覚えたペルージャから再び高速に乗り、トスカーナに向かいます。

ワイナリー、しかも本物ワインを造るワイナリーが商店街のように並んでる訳もなく、移動が4、5時間かかるというのも、この旅の特徴です。

次第に空も晴れ、トスカーナの大地が見えてきます。トスカーナも丘陵地ではありますが、マルケ程、うねうねはしていません。どちらかといえば、平地とか、低い山に囲まれた盆地みたいな感じです。

アッカディーアの滞在時間が予定を2時間オーバーしたので、モンタルバーノにあるカスッテリーナに到着したのは8時。
またまたディナーは9時からとなりました。

昨年はなかったアグリツリズモの宿泊者向けのレストランは、素朴なのに洗練された雰囲気。

カスッテリーナの主役、ファビオさんを囲んでのディナーは、繊細なシェフの食事に感動し、ファビオさんの生き方、姿勢に感じいる3時間でした。

いくつかファビオさんの言葉を紹介します。「感謝を忘れない事。感謝は浄化であり、自分の意識を高めるためでもある」 …つねに自然への畏敬を忘れないファビオさん。
畑にいる全ての虫にさえ、敬意を払います。まるで日本の万物信仰のようですねと聞いたら、日本の事もちゃんと知っていて、だから日本の神道に興味があるんだと話してくれました。

「ワインはメッセージを運ぶためのツールです」。彼の自然に対する気持ちや、持続可能な農法、将来を見据えた畑作り。 そんな様々な思いを乗せて運んでくれるもの。皆さんはティプシーズやコトトワで、ファビオさんのメッセージ着きワインを楽しんでいたのですね。

Σも、今までは単純に、カスッテリーナのワインの美味しさについて、つまり、味と 農法についてお客様に説明してきました。でも、これからはもう一歩突っ込んで、ファビオさんのメッセージも少しずつ伝えていきたいなと思います。

ところで、8月上旬にカスッテリーナのファビオさんが来日します。都合が合えば、ティプシーズにも来ます! 詳細はまたブログやホームページ上で紹介していきますので、忘れずチェックしてください。

芸術とワイン その2
June 22nd, 2010

アッカディーア訪問記続きです。

試飲の後は奥様のマリアさんのおもてなしランチ。サラミとチーズに始まり、ペンネ、ターキーとサラダ、モモの赤ワインコンポート、ケーキと、昼からしっかりフルコース。

その全てが美味しい! なにもかもが潤いに満ちた味なのです。マリアさんが言っていました。「私たちは愛情を込めて全ての作物を作っています。だから美味しいんです」
当たり前の事のようで、難しい…ティプシーズやコトトワの皆は大丈夫かな。ちゃんと愛情込めて、料理を作り、サービスしているかな。

芸術とワイン その1
June 22nd, 2010
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Σが最初にアッカディーアのワインに出会ったのは、昨年秋の試飲会。なんの前知識なく臨んだ100のワインを順番にチェックしていく途中、「おやっ?」というワインにいくつか引っ掛かります。そんなワインは後でもう一度試飲し、価格と味わいのバランスを見てリストインさせるかどうかを決めます。

アッカディーアのコンショがその一つでした。
「やだ、何これ美味しい。しかも、安いじゃない」

その時は、まさか八ヶ月後に蔵元を訪問できるとは思ってもいませんでした…これも何かのお導き?

さて、前置きが長くなっちゃいましたが、そんなアッカディーア。ただもんじゃあ、ありませんでした。

ワイナリーがあるのは彼の農園の一部。養鶏もやり、オリーブオイルも作って、自然と共に、明るく元気な奥さまのマリアさんと暮らしています。

出迎えてくれたアンジェロさんからは、オーラがメラメラと出ていました。
達観してるというか、人生を満喫して生きてるというか。
見た瞬間、ちょっと泣きそうになっちゃいました。
アンジェロさんは現役の芸術家。ワイナリーの建物の中には、いたるところに、彼や彼の友人の作品がセンス良く飾られています。
今日は低気圧の影響で、外は季節外れの大雨、しかも気温が低く、寒いので、畑には行けませんでしたが、よく清掃された小さなワイナリーを見学。ワインタンクや熟成樽の横にも芸術作品が飾られて、今まで行ったどのワイナリーとも異なる独特の雰囲気。

「畑の味、土地の味、年の味をそのままワインにする事に心血を注いでいます」…本物を造る人は全く同じような事を口を揃えて言いますね。

彼のワインは白のベルディキオが中心です。コンソノ、コンショ、カントーリ、全て畑違いのベルディキオ100%の白ワイン。同じ敷地内で違いがあるのかと思いますよね?
…これが、あるんです。

コンソノはカジュアルな果実の楽しさ、コンショはミネラルと果実の融合、カントーリは圧倒的な果実の華やかさ。と、ここまでは普通の試飲でした。アッカディーアがすごいのは、これらのワインのビンテージものが飲める事。 いわゆる瓶熟ものです。「本当は白ワインでも、数年は瓶熟してから市場に出したいけど、生産量も少ない上に市場の要求でうらざるをえないんだ」なるほど、なるほど。 その味は…びっくりするほど、複雑味がでて、違うワインのようです。ベルディキオって、熟成させるとこんな事になっちゃうの?
…続きは、また。

ワクワクする
June 21st, 2010
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おはようございます。蔵元訪問三日目、マルケの北にあるアッカディーアに向かっています。ティプシーズでは、コンショという美味しい白ワインが人気!お値段も手頃なので、飲まれた方も多いのでは?
アッカディーアでは芸術と農業について、見聞きしてきます。

さてさて、昨日からお伝えしているクラーラマルチェリのマニュエルさんと、サンラッザロのパウロさんのワイン造り。造り方や、設備、出来上がったワインも、それぞれ個性的ですが、どちらのワインも素晴らしい事は同じ。そして、なんだかワクワクするのです。二人の葡萄作りへの姿勢や、マルケの土地に対する熱い思い、そして、ルックスも含めて迫力満点なんです。 エマニュエルさんは37歳、パウロさんは42歳でΣと同い年と、若く!?、これから、まだまだ進化していくだろうと思われます。

しっかし、同い年であの貫禄、リーダーシップ、余裕はどこからくるのか…。葡萄のようにしっかりマルケの地に根を下ろしているからかな。

3時間に及ぶ賑やかな晩餐の後、お別れするのが寂しく感じられました。
また、必ず訪れたい。そんな場所がまた一つ増えた南マルケの一日でした。

あっ、画像は名物の卵を練り込んだ手打ちパスタ。意外とさっぱり味でした。