Σです。久しぶりにショックなニュースでした。1979年に始まったSF長編小説のグインサーガの作者、栗本薫さんがなくなりました。
私は高校2年生のとき、同じ野球部のマネージャーをしていた同級生の女の子に「本が好きならきっと気に入るよ」とそれまで発行されていた何冊かを夏休みに借り、ページを開いた瞬間、その魅力に圧倒され、すぐに借りた分を読んでしまったのを覚えています。今、思えばそれが1980年。その後、年に数回しか発売されないときもあったグインをひたすら待っていままで読みつづけました。
グインの世界は魔法と剣が支配するSFです。でも、作者の細かい人物描写や風景や雰囲気の書き込みは、くどいほどで、私の頭の中にはすっかりグインの住む世界の様子が入り込んでいて、本を開くとその世界へすっと入っていけたのでした。
きっと書き溜めた分があると思われるので後、1,2巻は発行されるかもしれませんが、到底、作者の頭の中にあった物語までは読むことはできません。一番悔しいのはきっと栗本薫さん自身だろうと容易に推測できます。
ここ数年、癌を患い、体調不良と戦いながらも書いているということは「あとがき」を読んで知っていました。前々回の本では、無事に正月を迎えられたことに喜んでいる様子だったので、このまま徐々に良くなればいいなと思っていた矢先でした。
芸能人がなくなることは多いですが、初めて泣きました。衝動的に。今もこれを書きながら涙が止まりません。圧倒的な才能の持ち主でした。作家というよりも彼女のなかに湧いてくる様々なエネルギーや物語や音楽を表現していただけのように思えます。
棺には黒い着物も入れてもらえたのかな?
ご冥福を心よりお祈りいたします。