ラ・チェレータ
July 2nd, 2014

P1000804サセッタに来るのも4度目。ワインディングロードを登りつめた別宇宙にあるラ・チェレータ。
そして、なぜかいつも少し緊張する。
荷物を部屋に置いて畑&ワイナリーツアーへ出発!と思ったけれど、
ランチ抜きでお腹ペコペコということでちょっとパンとチーズなどをいただく。
画像手前のチーズはなんだったかな?
ものすごく臭い。水では無理。ワインと合わせたかったけれど、まだ仕事だし
お楽しみは夕食タイムにとっておきます。
【畑にて】ここの畑はいつも送風状態。さやさやといい風がいつも流れている。畑の植生はティレニア海沿岸のそれと同じだそうで、ここも海の影響を受けている。今年は冬が全く寒くなかった。例年0度以下になる日があるのだけれど、それもなく今のところ成長は非常に順調だと。ただ、0度以下にならないと病原菌が死なないので、今後害虫や病気が発生する可能性がある。

畑で聞いたお話①
今年初めて微生物散布をしたそうで、それについて。
先ほど書いた病原菌対策として、病原菌を死滅させる微生物を撒いたそうです。ナチュラルなものでブドウの樹に発生するカビ菌を食べてくれるらしい。今までは2~3回硫酸銅を撒いていたけれど、硫酸銅は自然のものではないうえに費用がとてもかかる。この微生物がとてもよく働いているらしく今年は1回で済んだ。
サンジョベーゼやベルメンティーノは灰色カビ病になりやすい品種なのだが今年はその兆候さえない。「やってよかったよ」とマッティーア。

畑で聞いたお話②
当然チェレータの畑にもわさわさと下草が生えています。
フランチェスコーニににょきっと育っていた樫の木がここにも小さな命を育てていました。抜かないの?ブドウの生育に邪魔じゃないの?と聞いたら「もったいなくて抜けない」と言っていました。
「樫の木が生えるっていうのはブドウ栽培に向いている証拠だよ」って。ふ~~ん。

歩きながらマッティーアがクローバーを抜きはじめました。ん?
クローバーはマメ科で空気中の窒素を根に蓄えると書きましたね。
なんと1haあたり40kg~50kgも吸収するそう。マッティーア曰はく「動物用の薬も豆からつくられるものが多い。豆は植物にも、動物にも、人間にもなくてはならないものなんだよ」

ブドウだけではなく、チンタセネーゼという豚や地鶏も飼育しているチェレータ。一般的な養豚は5~6か月で、養鶏は30日で出荷されるらしく「信じられない。どうしたらその期間で大きくなるのか。薬や不自然なエサを与えているとしか思えないよ」
チェレータでは最低、豚は2年。鳥は60日飼育するそうです。美味しいものには理由がある。

畑の端っこに植わっている黒ブドウ3種は
①Foglia Tonda
②Balsaglina
③Cololina
通常は補助品種として使われる地ぶどうで、土地の味だからということでそれぞれワインにしてミニボトル3点セットで販売している。飲んだことないな。飲んでみたいな。パンチありそうだな。

堆肥がこんもりと積まれてその上に草が勢いよく茂っていた小山。
堆肥も2年くらいたったものがいい状態になるそうで、若いと窒素が強すぎてだめなんだそう。2年たつとミネラルのバランスがよくなるのだと。
ここでも出ました“植物多様性”
「森がお手本だよ」完璧なのは森だそうで、森に土に畑の土を近づける努力をしている。

【ワイナリー&樽から試飲】
①マティス2013
2013はまだ発酵途中。今年のぶどうはなまけ者だよとマッティーア。
オリ引きはするがフィルターにはかけない。パイナップルや白桃のシロップ様の香りがふわーっと立ち上る。まだ泡を感じピチピチする。一部を樽に入れているが、中をトーストしない樽なので(熱湯をかけるだけ)香りがつかない。樽は酸化を促進させるし、樽で発酵させるとワインが澄む。一方、ステンレスタンクで発酵させたものは柑橘系の香りがたち、シャープな触感になる。
ステンレスと樽を混ぜたりしつつ徐々に均一にしていく。

②シラー2012
爽やかでタンニンがとても細かい。これから樽熟2年を予定している。
「ただ待つんだ。ワインがその状態になるまで」
サンジョベーゼも2000年に仕込み2005年まで待ったマッティーア。すでにウルトラ旨いのにこれが2年樽熟させたら…。1か月毎に味をみてチェックしているそうです。

③サンジョベーゼ
今回の蔵試飲で一番ヒットだったのがこれ。キャンディやイチゴの香りががしがしと立ち上る。透明感があってきれいなのに濃い。大好きな味だな。
和食にも、イタリアンにも、エスニックにも合いそう。

④カベルネソーヴィニヨン
ビロードのような舌触りとやさしさ。包み込むようなタンニンが素晴らしい。とても粘性があり、凝縮感たっぷり。
チェレータのワインは品がある。清廉さがある。“エチェレンテ=とても素敵”
【テルメ体験】
チェレータのテルメはとてもゴージャスで本格的。
この日も大勢の人でにぎわっていました。もちろん水着に水泳帽ですが(^^)
裸ではいれたらもっといいのにな。
ここに入るのは2度目。やや寒くて外はつらい。でもプールで15分くらい泳いでみました。

ちなみにここはアグリツリズモもあって今回は人数がすくなかったのでラッキーにもここに宿泊できました。
こんな感じです。かなり素敵。

【食べる】さあ、お待ちかねの夕食。ランチを食べないことが多いので夕食を美味しくいただけます。
名前を忘れましたが、はじめましてのサービスマンがいて彼がステキ。こころのこもったサービスをするプロです。
メニューを渡されて選ぶ。ここでは、いつもノーチョイスで出てきたものを美味しくいただいていたので、このスタイルは初。きっと彼がきてサービスの幅が増えたのだろうな。そしていつ来てもフルでお客様が入っている。
さあ、何をチョイスしたかというと…。メインはボリュームありそうだったので前菜を2品選んでメインとしました。

①豆のサラダ
畑でマッティーアが豆は全ての生き物に欠かせないといっていたのを思い出し、豆サラダにしてみました。
んん~滋味あふれる。味付けがなんとも優しい。ソラマメみたいのが生なんだけれど噛めば噛むほど味が湧いてきました。
Insalataa di ceredi tiepida

②マレンマ牛のカルパッチョを少しだけ。
ソースが変わっていて甘かったり、酸っぱかったり、噛む場所で味わいがコロコロと変わり楽しい。肉は赤身で旨みたっぷり。
が、されど肉。ここですでにお腹が…

Battuto di Vitello Maremmano con zabaione salato

隣の人が頼んでいたパスタでニョッキ。
私はパスタはパス!(^^)/
chi di patate al pesto di salvestrella

隣の人のメイン。
マレンマ牛ロースト
ここのスペシャリテ。

Spalla di Vitello Maremmano arrosto

③私のメインはアスパラガスと地鶏卵の目玉焼き
なんか朝ごはんみたいですけれど。
アスパラは旬。そして卵が美味しい。実は卵苦手ですが、
くさみなく美味しくいただきました。

Uova di Gallina Livornese all’occhio di due con asparagi selvatici

④デザートはカスタードパイ苺のせみたいな。
オーソドックスで安心する一皿。
スイーツは別腹でこれはペロッと。
先ほど蔵で発見したヴィンサントとともに堪能。
なんでも日本用は6本しかないそうです。頑張れBMO!
Crostatina alle fragole

★食事ででてきたワインは
①ソラーレ 爽やかでみずみずしく旨みたっぷり。ごくごく飲む・・・
②リオ・デ・メッシ 重厚感たっぷり。旨し!
③ヴィンサント 初お目見え。日本むけは6本だけだって(>_<)
④グラッパ あまりのおいしさに2杯も飲む 翌日2本購入。

今回マティスは飲めず…。なかったみたいです。残念。

ダニエーレと2ショット。
いつも優しく包んでくれる。
今回はチェレータのこと物語にするという作家女子が隣にいて
ほとんどダニエーレと話せず残念。
でも、翌朝偶然にまたあえて2ショット再び。
ここへは本当に仕事抜きでただただぼんやりとしに来たい。
この場所にいるだけでセラピー。