こんにちはΣです。マルケの続き。
マルケ二軒目はΣが個人的に大ファンのサン ラッザロ。
ワインでは、サンジョベーゼのポレージオや、モンテプルチアーノの傑作、グリフォラなど。
男性的な力強いワインが人気の蔵本です。
まず、圧巻の眺望に立つワイナリーと周辺の畑。
すぐに目に入るのは、まるで男性が横たわっているようなポレージオ山。
その横顔はダンテのものだと、地元では言われているそうです。
昨年の訪問時、「来年は新しいワイナリーにご案内できると思います」
と言っていましたが、そこはイタリアのこと。今年も古い古いワイナリーで解説。
昔のカマドがあったり、家畜小屋があったり、
中世の暮らしが見えるヒストリカルな建物。
小高い丘の頂上にあって、360度のパノラマはもう、マルケでは
お約束です。
その中で醸造の話を聞きます。
ここのワインのキーワードは瓶熟成。
少なくとも三年から五年は待ちたい。そこから本領発揮となります。
だから、なかなか難しい。時間が必要なワインなんです。
ワイナリーは狭い、という事で、パウロさんの家に行って試飲です。
白も赤も濃い。飲み頃を迎えると高級感漂うのも、特徴です。
小高い丘に立つ家には豚や鳥を飼うスペース、周辺は葡萄畑。
そして、家の隣に新しいワイナリーを建設中。
到着すると昨日も一緒に食事した奥様が子供達を連れて現れました。
…カワイイ。子供はどこでも可愛いけど格別です。
犬が来ました。子犬もいて、来客に喜び転げ回っています。
パウロさんのご両親が登場です。
手には自家製の生ハム。「このハムは私の豚から作ったのよ」…。言うまでもなく絶品でした。
丘に吹く心地好い風、三世代と犬が暮らす家、周りに葡萄があって、
その平和な恒久的な風景に感動。
ちょっと泣きそうになるΣ。
まさに「お金では買えない価値がある…プライスレス」。
この旅での一番のシーンとなりました。
幸せの基準は人それぞれだけれど、
パウロさんは、その基準を既に知っているなと思いました。
きっとパウロさんのワインにはこの暮らしの全てが入っています。
時間が必要なのも、このゆったり環境がそうさせているのかもしれません。
その夜は、午前中に訪れたクラーラ マルチェリのエマヌエーレさん、
ダニエーレさんも来て、素敵なオーベルジュのプールサイドのテーブルで、持ち寄りパーティー。
この世のものかと疑うような圧巻の風景と、止まったかのような時間。
イタリア語、日本語、フランス語が飛び交うテーブルで、
たくさんのワインを楽しみつつ、夜は更けていきました。